アクロバットのコツ

【ロンダートのコツ】4つの基本と、バク転が上達しない本当の原因

文・井藤 亘

こんにちは!アクロバット大学へようこそ。ここではバク転やバク宙などのアクロバットに関する知識をみんなでお勉強していきます。今日のテーマは「ロンダート」です。

バク転ができない原因は、バク転にありません

レッスンをしていて一番よく相談されるのが、「ロンダートからのバク転がうまくいきません」「ロンダートからの宙返りが回りきりません」というものです。

そう言われたとき、僕はほとんどの場合、バク転や宙返りの練習をしません。ロンダートを直します。そうすると、それだけで大体うまくいってしまうからです。

ロンバク(ロンダートからのバク転)やロン宙(ロンダートからの宙返り)ができない理由は、バク転や宙返りのほうにはあまりありません。原因はほぼ全部、その手前のロンダートにあります。

どんなに宙返りが上手でも、どんなにバク転が上手でも、ロンダートが下手くそだと、絶対にできるようにはなりません。順番として、そういうものなんです。

ロンダートは、地下300階ぐらいあります

ロンダートは「バク転の前にやるやつ」くらいに思われがちな、地味な技です。単体で見せても、あまり拍手はもらえません。

でも、とてもとても奥が深い技です。僕はよく、「ロンダートは地下300階ぐらいある」と言っています。掘っても掘っても、まだ下がある。上手な人ほど、ロンダートに時間を使っています。

逆に言えば、ここが浅いままだと、その先の技が何ひとつ繋がりません。だから遠回りに見えて、ロンダートをやり込むのが一番の近道です。

ロンダートの名前には「跳び」が入っています

ちなみに、ロンダートの日本語の正式名称を知っていますか?

「側方倒立回転跳び1/4ひねり後向き」です。長いですよね。

「側方倒立回転」は側転のこと。つまりロンダートは、側転に1/4のひねりが加わって、後ろ向きで終わる技、ということになります。

ここで注目してほしいのが、名前の中に「跳び」という言葉が入っていることです。側転にひねりが足されただけではありません。跳ぶという動作が、名前に入るくらい大事な要素として含まれているんです。

ところが、多くの人のロンダートは跳んでいません。手をついて、そのまま足を下ろしてきてしまう。だから「べちゃっ」とした、伸びのない技になります。手をついたら、跳ばないといけません。

きれいなロンダートをつくる4つのポイント

ここからは、実際にレッスンで毎回のように言っている4つを紹介します。難しいことは言っていません。ただ、どれも全部大事です。

①「片手か、片手か」

ロンダートは、右手と左手を時間差でつく技です。このとき、2個目の手がついた瞬間に、1個目の手を離してください。

目指すのは「両手が床についている時間をゼロにする」こと。常に、ついているのは片手か、片手か。どちらかです。両手で支えている時間が長い人は、そこで動きが止まってしまっています。

②倒立歩行の感じでやる

「片手か片手か」と言われてもピンとこない人は、倒立歩行を思い出してください。逆さまのまま手で歩くとき、両手を同時についたままでは前に進めませんよね。

ロンダートの手のつき方は、あの動きとまったく同じです。新しい動作を覚えるというより、すでにできる動きに繋げてあげるほうが、体は早く理解します。

③とにかくゆっくり

ロンダートの練習で一番多い失敗が、速くやってしまうことです。

速さは、コントロールが足りていないことを隠してしまいます。勢いで回ってしまえば、形が崩れていても、それなりに最後まで到達できてしまうからです。

ゆっくりできることのほうが、ずっと大事です。ゆっくりやって形が保てるなら、速くしても崩れません。逆は成り立ちません。

④2個目の手で、しっかり押す

2個目についた手で床を押せていないと、意味がありません。ここが跳ぶための力を生む場所だからです。

ポイントは、2個目の手をついた時点で腕を伸ばしきらないこと。伸びきった腕では押せません。少しだけ曲がる時間をつくって、肘を進行方向へ送ってあげてください。そこから押します。

ちなみに、①の「手が離れてくれない」という悩みは、押していないことの証拠でもあります。しっかり押せていれば、手は自然と離れます。①と④は、実は同じ話なんです。

まとめ

今日のポイントをおさらいします。

ロンバクやロン宙ができない原因は、バク転や宙返りではなく、ほとんどがロンダートにあります。そしてロンダートの名前には「跳び」が入っている。跳ばないといけない技なんです。

そのために意識するのは4つ。「片手か片手か」「倒立歩行の感じで」「とにかくゆっくり」「2個目の手で押す」です。

早くカッコいい技がやりたい気持ちは、よくわかります。でもここを飛ばすと、必ず後で戻ってくることになります。今はグッと我慢して、地下300階を掘っていきましょう!

ロンダートが曲がってしまう人は【ロンダートが曲がる】原因と直し方・正式名称も解説を、バク転に繋げたい人は【ロンダートバク転のコツ】つなげる練習の順番を、宙返りに繋げたい人は【ロンダート宙返りのコツ】ロンダートとは何かから解説も合わせて読んでみてください。

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