【元体操選手が考える】マットの選び方とおすすめ商品

プロフィール

わたるコーチ

元シルクドソレイユパフォーマー
男子新体操歴24年
全日本選手権4連覇
Cirque du Soleil 「Drawn to Life」
600本以上出演

アクロバット大学へようこそ!
ここでは、バク転やバク宙などのアクロバット技をカッコよく安全に行うためのお勉強をみんなでしていきます。

今日のテーマは「マットの選び方」。

日々レッスンをしている中でこんな質問をよくいただきます。
「このマットはどこで買っているのですか?」
「お家で練習するにはどんなマットがいいですか?」

今日はそんな質問にお答えしていきたいと思います。

・エアーマット(トラック)
・体育マット
・チアマット
・クッションマット

などなど、アクロバット用のマットと一口にいってもいろんな種類のものがあります。

おうちのスペースの問題もあるし、お値段の問題もあるし…
この中から何をどう選べばいいのか…?
ネットで調べても判断材料が少なくてなかなか難しいと思います。

跳ねるマットを買えば確かに楽しいのですが、「跳ねるから上手になる」とは一概に言えません。
なんのためにアクロバットを練習するのか?という目的意識がとても大切になってきます。
普段は硬い床でダンスをしていてそこで使うアクロバットを練習したいのに、柔らかいマットで練習していては実戦的とは言えません。

どこでアクロバットをしたいのか?
どういう技がしたいのか?
どういう練習が必要なのか?

そんなことを考えながら、お家で練習するのにぴったりなマットを選んでいたらけたらと思います。

お家練習の最適度とおすすめ商品

ここでは価格、跳ね具合、騒音、コンパクトさ、掃除のしやすさの5項目を5段階で評価し、その平均点を総合評価としました。

※あくまでおうち練習に限定した評価です。
※評価は筆者の個人的意見です。

エアーマット(評価3.4)

製品概要

最近のアクロバット業界でデフォルトになりつつあるのがこのエアーマット。(海外ではエアートラックと呼んだりもします。)

おうち練習の最適度は3.4。
4種類のマットの中では最高評価となっています。

空気が中に入っているため、とても跳ねます。
自動のポンプを使えば設置・片付けもとても簡単で置き場所にも困りません。

評価の詳細

このマットのいいところはなんといってもその跳ね具合。
空気が中に入っているため、まるでトランポリンを使っているかのように高いジャンプをすることができます。
より長い滞空時間の中で技の感覚練習をしたい時にはおすすめです。

また、使わないときは空気をぬけば畳んだり丸めたりすることができるのでお家の中で場所を取りすぎることもないでしょう。
素材は水を吸わないものが使われているため、汚れてもウェットシートなどで拭き取ることができます。
汗などの匂いも気になりません。

価格はわりとピンキリです。
大きくて質の良いものであれば10万円を超えるものもありますが、ネットで売られている家庭用商品の多くは2万〜3万円でおさまります。

懸念点としては、騒音があります。
跳ね具合と引き換えに音が出ます。
体育館などの広い空間で使う分には気になりませんが、壁が近いお家で使うと反響してかなり大きな音がすると思います。

また、経年劣化による穴あきや空気孔の破損など、他の布製のマットと比べると使用可能年数が少ないのも特徴です。
引きずったり雑に扱ったりしないように慎重な取り扱いが必要となります。

おすすめ商品

↑こちらは長さが3m、4m、5m、6mの4種類、厚みが10cm、20cmの2種類から選ぶことができます。
おうち練習であれば厚みは10cm で十分だと思います。
長さは3mあればバク転1回は余裕でできます。

エアーマットの商品の中ではほぼ最安値と言える価格だと思いますが、この価格帯のものはよほど丁寧に扱わないと空気漏れなどの故障がわりと早い段階で出てきてしまいます。
ポンプとホースの繋ぎ目の部分も壊れやすいので、ホースを繋いだまま持ち運ぶことは避けてください。

↑かなり価格は跳ね上がりますが、本格的なものの購入を考えている方はこういったものがおすすめです。
ここまで予算を上げると使用可能年数もぐんと上がります。
5万円以下のものは空気がすぐに抜けてきます…。

SUNNY SPORTSさん

当教室のマットはSUNNY SPORTSさんから購入させていただきました。
家庭向けというよりは教室向けの製品販売ではありますが…
長さ/幅/厚みを自分で決めて発注することが可能です。
必要であればロゴを入れることも可能ですので是非ご相談ください。
(チアマットや他の製品の取り扱いもあります。)

体育マット(評価2.0)

製品概要

学校でお馴染みの体育マット。
学校で使われているだけあって、マットの質はかなりいいと個人的に思っています。

おうち練習の最適度は2.0。
下から2番目の評価です。

評価の詳細

跳ねるとも言えないし、跳ねないとも言えない。
他の製品と比べるとなんとも評価しづらいクッション性です。
ただ、宙返りなどの技をしないのであればこのマットのクッション性は最適だと思います。
床の硬さ(反発)を感じれる上に、適度なクッション性があるので転がっても痛みを感じることはありません。

トランポリンのようなものは空中感覚を得るにはとっても良いのですが、「床からの反発を利用して跳ぶ」というジャンプの感覚は鍛えにくいです。
そういった意味では、硬すぎず柔らかすぎず、通常のアクロバット練習であればかなり適していると思っています。

ただ、サイズが大きい上にコンパクトに畳むこともできないので、収納に困ります。
そして何より困るのは掃除。
ホコリや髪の毛などの表面的な汚れは掃除機やコロコロで掃除できるのですが、水分には勝てません。
洗濯することができないので、練習中についた汗や、うっかりこぼしてしまった飲み物を拭き取ることは不可能です。

抗菌使用のものもあるので多少のニオイや雑菌などは防ぐことができますが、汚れは難しいです…。
お値段的にも2万円以上のものが多く、抗菌仕様にしたり、裏側に滑り止めをつけたりすると3〜4万円してしまうためリーズナブルとは言いにくい商品です。

おすすめ商品

↑先ほどの商品に滑り止めがついたものです。
価格の差は5,000円ほど。
体育マットはある程度の重量があるため、よほど衝撃の強い技をしない限りは滑り止めがなくてもそんなに滑りません。全員に必要なオプションではないと思います。

チアマット(評価1.8)

Amazon.jpより画像を転用。

製品概要

チアリーディングというスポーツの公式フロアとして使用されているのがこちらのチアマットです。

ここ最近では多くの体操教室・アクロバット教室の床材として取り扱われており、マットとしての機能はもちろんのこと、カーペットとして見た目がいいという意味でも人気が高いマットです。

おうち練習の最適度は最下位の1.8。
教室では使い勝手が良くても、お家での練習にはあまり適していないようです。

評価の詳細

このマットのいいところは軽さと調整のしやすさだと思います。
発泡スチロールのような素材が使用されているため体育マットと比べるとはるかに軽く、形状維持もしてくれるため持ち運びの際にはあまり苦労しません。
また、マットの裏側に等間隔で切り込みが入っており、そのおかげで簡単かつ綺麗に丸めることができるのですが、なんと切り込みに沿ってカッターを入れると簡単にカットすることもできます。
長ければ切ることができるので、とても簡単に自分の部屋のサイズに合わせて調整することが可能です。

ただ…
敷きっぱなしの場合はそれでいいのですが、毎回片付けるとなると困るのが収納スペース。
綺麗に丸めれるとはいえコンパクトにはならないので、収納場所に非常に困ります。

跳ね具合についてですが、厚みが3.5cmのものと5cmのものがあり、どちらもそこそこに弾力があるので体育マットよりは跳ねます。

価格は…
安くないです。
おすすめ商品の紹介にも載せますが、Amazonで購入できる家庭用の短いチアマットですら8万円近くします。
やはり価格を見るとこれはお家向けというよりは教室向けな気がします。

また、体育マットほどではありませんが布素材ですのでやはり汚れには弱いです。

おすすめ商品

画像と共に掲載できる商品リンクがないため、購入できるサイトを箇条書きしておきます。

・ポータブルチアマット
・NEIS PRODUCTS
・ダッシュトレード
・55チア

クッションマット(評価3.2)

ikea.comより画像を転用。

製品概要

画像のものは大手家具メーカーのIKEAで販売されているクッションマットです。
Instagramなどを見ているとこのマットをサブのマットとして使用している体操教室さんを多く見かけます。
折り目で色が変わるので、子供達が自分の待機場所として把握しやすいのが体操教室としてはありがたいかもしれません。

この他にも一般的に販売されているパズルマットなどもこの部類に入ると思いますので、そういったものを含めての評価となっています。

おうち練習の最適度は3.2。
エアマットに続く高得点です。
評価としては2番目ですが、筆者の一番のおすすめはこのマットです。

評価の詳細

このマットを一番おすすめする理由はなんといってもその価格です。

画像のIKEAマットは4千円以下。
サイズが小さいので1枚では足りないと思いますが、3〜4枚購入して重ねたり並べたりしたとしても他の3つのマットの価格とは比べ物にならないほど安く済みます。

また、パズルマットも同じですが、とにかくコンパクト。
必要がないときは畳んで重ねて隙間に置いておくことができます。
重量も他のマットと比べてかなり軽いので、持ち運びも楽チン。

お掃除だって簡単です。
布製ではないものを選べばウェットティッシュなどで拭き取ることができます。

 

いいことづくしのクッションマットですが、このメリットと何を引き換えにするかというと…
肝心なマットとしての機能です。

安価な分、厚みもありませんしクッション性もかなり低いです。
幼児さんや小学生の体重であれば全く問題ないと思いますが、中学生くらいになってると床の硬さを感じることもあるかもしれません。

また、マットを敷く場所がフローリングなどの場合はマット自体が滑って動くこともよくあります。
100均などの滑り止めシートを下に敷けば解決することはできますが、安全な環境にするためにはちょっとした一工夫が必要です。

おすすめ商品

↑こちらはヨガマットと似たような素材を使用したクッションマット。
厚みが15mmもあり、ヨガマットの類としてはクッション性は割と高めだと思います。
大きさも200cm×130cmあるので、トレーニングやアクロバット練習にはもってこいです。
大きすぎるという方は次のものがいいのかなと思います。

そもそもマットは必要か?

最後に元も子もないことを書いていきたいと思います。
題して「そもそもおうち練習にマットは必要なのか?」。

筆者の答えは「必ずしも必要ではない」です。

アクロバットは何よりも感覚が大事なので、練習した感覚が消えないうちにどんどん技術を更新していく必要があります。
そのため週1回のレッスンだけでなく、お家でも練習できるように宿題を出すことが多いです。

当たり前の話ですが、与えた宿題をきっちりこなしてくる子は上達が早いです。
翌週のレッスンで子供達の動きを少し見ただけでおうちで練習している子とそうでない子はすぐにわかります。
そのくらいおうちでの練習って大切なのです。

ただ、「おうち練習が大切=マットが必要」とはならないのが筆者の正直な意見です。
だって布団の上でも芝生の上でも庭でも練習できますから。

 

何が言いたいかというと…
環境に頼っているうちは上手になれない
ということです。

 

「好きこそものの」という言葉があるように、本当にアクロバットが好きで上達したい子は公園でもどこでもクルクル勝手に回って遊んでいます。
狭い家の中で「コラー!」と親に怒られながらもアクロバットをするのを止められないのです。
アクロバットが好きだから。

「マットがないから」は固定概念であり、言い訳であり、その言葉が出るということはまだ好きが足りないのかもしれません。

上手な人の動画をたくさん見たり、できる技で遊んだり。
好きになるための工夫をすることがその段階では必要なのかななんて思います。

もちろん、アクロバットには危険がつきものなので安全な環境は必要です。
それは大前提としてありますが、そもそも論として上達に必要なものって環境じゃないよね、っていうお話です。

まとめ

この記事では、
・エアーマット
・体育マット
・チアマット
・クッションマット
の4種類を「おうちで練習するとしたら…」と評価をして、それぞれの詳しい説明をしました!

おうち練習に最適なのはエアーマット!
筆者のおすすめはクッションマット!

それぞれのいいところ、悪いところを知って、目的にあった一番ぴったりなマットが見つかりますように🙏

ではまた次回!

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駐車場あり
日(15:3019:30

プロフィール

わたるコーチ

元シルクドソレイユパフォーマー
男子新体操歴24年
全日本選手権4連覇
Cirque du Soleil 「Drawn to Life」
600本以上出演

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