アクロバット大学へようこそ。
ここでは、バク転やバク宙などをはじめとするアクロバットの技をカッコよく安全に行うための技術をみんなで学んでいきます。
今日のテーマは「側転(そくてん)」。
多くのアクロバット初心者さんが入り口として取り組むこの技。
できる人からすると簡単な技ですが、初めて取り組むときは「倒れたりしないかな…崩れたりしないかな…」と怖さがつきまとうものです。
段階練習を取り入れて楽しく練習していきましょう!

側転、側転とみなさん当たり前のように呼びますが、実はこれは略称です。
本名は「側方倒立回転(そくほうとうりつかいてん)」。
「側方(横方向)に倒立をしながら回転をする」
これが側転の正体です。
英語では、「cartwheel(カートウィール)」と呼ばれています。
この単語は荷馬車などの車輪を表しており、技の見た目が車輪が回るように見えることからこの名前がついています。
側転からの発展
冒頭でも書きましたが、多くのアクロバット初心者さんにとって初めて取り組む技となるのが側転。
いろんな技に繋がる基礎技であるが故に、適当に覚えてしまうとあとあと修正が大変になります…。
どんな技につながっていくのかを見ていきましょう。
ロンダート

側転の終わりを後ろ向きにし、脚を閉じて着地をするとロンダートになります。
ロンダートができると、バク転やバク宙などを繋げて、いよいよ本格的なアクロバット練習に入っていくわけですが…
側転のスキルがイマイチだとロンダートもイマイチになるので、技を繋げる段階で非常に苦労します。
ロンダートについての解説はこちら↓
【原因を徹底解説 ロンダートが曲がる原因は〇〇の不足】
側宙(エアリアル)

側転を素早くできるようになると、側宙に挑戦できます。
手をつかずに側転をするこの技ですが、できるようになるととってもお得。
助走も場所もあまりいらないので、ダンスなどの振り付けの中に自然に取り入れることができます。
側宙についての解説はこちら↓
【基本の”キ” 側宙をスムーズにカッコよくやるためのコツ】
側転の難しさ
できる子はちょちょいとやってしまうので、なんとも簡単に見える側転。
しかし、そこにはいろんな難しさが潜んでいます。
一つずつ見ていきましょう。
バランスを取ること
「横に倒れそう」
「途中で崩れそう」
側転が怖いという人に聞くと一番に出てくるのが、バランスを取るということです。
一瞬とはいえど、手だけで体を支えて倒立の状態で回るので、途中で崩れて顔から落ちたり、バランスを崩して背中から倒れたり…
そんな怖さとの勝負がまず一つ目の難しさです。
脚を振り上げる/振り下ろすこと
横向きの状態で倒立をしなければいけないため、脚を高く振り上げるスキルが必要です。
立った状態から倒立ができる人であればこれはクリアできるのですが…
難しいことがもう一つ。
それは、振り上げた脚を振り下ろすという動作です。
基本的には回転の勢いがあれば勝手に脚が降りてくるのですが、練習しはじめのうちは側転の勢いをつけることが難しいため、意識的に脚を地面につけにいく必要があります。
空中で脚を動かすためには腕力や腹筋の力が必要となるため、これも難しい要素です。
手から手へ重心移動すること
最初につく手。
2番目につく手。
側転をするときは手を順番にマットに接地していきます。
同時に接地することが間違いではないのですが、側転の次にロンダートを練習しようとした時に障害となるので、早めに直しておきたいです。
なぜ順番に接地するのかというと、重心を進行方向に対して運びたいから。
「前足→最初につく手→2番目につく手→最初に着地する足→最後に着地する足」
というように、前に進みながら(ここ重要!)順番に体をパーツを接地させていくと側転はうまくいきます。
これは見落とされがちで、ほとんどの教室では教えてもらえない技術です。
段階練習を取り入れよう
簡単に見える側転にも、難しい要素がいくつか詰まっています。
見よう見まねで練習していればいつかはできるようになるのですが、せっかく練習するのであれば次の技に繋がるようにしたいですよね。
怖さを感じずに取り組める段階練習を繰り返しながら、側転の感覚を掴んでいきましょう!
練習方法
練習方法は全部で3つ。
・片足ジャンプ
・足入れ替え
・壁倒立
全部毎日取り組めるといいなぁ…。
片足ジャンプ

まずは片足ジャンプから!
手をついた状態で片足でジャンプをします。
この時に、
・肘が曲がっていないこと
・上の足がしっかりと伸びていること
・下の足の膝を伸ばしながらしっかりとジャンプできていること
を確認しながらしましょう!
左右10回ずつをリズムよく!
足入れ替え

次は足の入れ替え!
先ほどのジャンプを片足ずつ交互に行います。
この時に、
・足を高く上げること
・高くジャンプをして手だけで支えている時間を長くすること
を意識して行ってみましょう!
できるようになってきたら、足のスタート位置を左右どちらかに少しずらし、右から左へ、左から右へ、足を入れ替えながら左右にジャンプしてみましょう。
これが安定してできるようになってきたらもう側転は大丈夫!
壁倒立
「側方倒立回転」なので、やっぱり倒立の練習は不可欠です。
しっかりと地面を押しながら壁倒立をしましょう。
理想は1分です。
まとめ
今回は、
・側転について
・側転からの発展技
・側転の難しいポイント
・段階的な練習方法
を紹介しました!
怖さがある時は無理して一人で練習することは避けましょう…。
似ている簡単な動きを繰り返すことによって怖さはどんどん減っていくので、まずは自分が挑戦できそうなレベルから取り組むことが大事です!
みんなでLet’s 練習!🔥