こんにちは!
アクロバット大学へようこそ。
ここではバク転やバク宙などのアクロバットに関する知識をみんなでお勉強していきます。
今日のテーマは「ロンダートの曲がり」。
アクロバットの指導をしていると、この悩みについて相談されることが多々あります。
アクロバットを始めて、ある程度いろんな技ができるようになってきたあたりのレベルの方に多い印象です。
ロンダートだけに限らず、誰もが一度はぶつかる「曲がり」という壁。
これを乗り越えるためには「進行方向の意識」が大切になってきます。
技に含まれている運動の種類を理解し、曲がりの原因をしっかりと掴みましょう💪
ロンダートとは
冒頭からロンダート、ロンダートと当たり前のように話していますが、聞き馴染みがなく「なんじゃそりゃ」となっている方もいらっしゃるかも知れません。
ロンダートとは、体操選手が宙返りやバク転を行う前にやっている側転のような技のことを指します。
日本語の正式名称は「側方倒立回転跳び1/4ひねり後向き」です。
「側方倒立回転」とは側転のことを指しますので、「側転をしている途中で跳びながら1/4ひねりをして後ろ向きで終わる」のがロンダートとなります。
後ろ向きで技が終わるため、その直後にバク転やバク宙、ひねり技など、後方系(後ろ向きで行う技)に繋げることができる、いわばメインとする技の助走のような技です。
ロンダートに含まれる3種類の運動
そんなロンダートには主に3種類の運動が含まれています。
まずは運動の中身を理解することによって、何が曲がりの原因となるのかを洗い出していきましょう。
①ひねりの運動
先ほど紹介した正式名称に「1/4ひねり」という言葉があったように、ロンダートにはひねりの運動が含まれています。
1/4ですので、90°のひねりを側転をしている間に行います。
前向きから始めて後ろ向きで終わるため180°のひねりが必要なのかと思われがちですが、そもそも側転は横向きで行う技なので手をつく段階で90°のひねりが完了しており、その後にさらに90°のひねりを加えることによってロンダートへと進化します。
つまり、1回の技の中で180°のひねりを行っていることに変わりはないのですが、実際の認識は90°+90°の運動だということです。
②縦回転の運動
こちらも正式名称にあるとおり「倒立回転」という、頭が上から下へ、下から上へと移動する縦回転の運動が含まれています。
③前進の運動
忘れられがちと言いますか、そもそも気づかれないことが多いのですが、ロンダートには前に進む運動も含まれています。
手足を前に1つずつ出しながら技を行うため、進行方向に対して重心の移動が行われます。
重心が移動するということは、人の体も一緒に動いているため、ロンダートには前進の運動が含まれています。
重心移動の概念は非常に大切な考えになってきますので、他の技を行う時もぜひ意識してみてください。
曲がりの原因
さて、ロンダートの中身を分解してどういう運動が含まれているのかを理解することができたので、さっそく曲がりの原因について考えていきましょう。
3方向の運動のパワーバランス
先ほど紹介した通り、ロンダートには3種類の運動が含まれているのですが、それらの運動のパワーバランスが崩れると曲がりなどの問題が生じてきます。
ひねり、縦回転、前進。
どの運動をどのくらいのパワーで行うかは人それぞれ違います。
ひねりを強く意識するとうまくいく人もいれば、縦回転を強くすることを考えた方がうまくいく人もいるので、その都度自分の悩みの原因と向き合ってパワーバランスを見直してみてください。
また、技の習熟度によってパワーバランスの意識は変わっていきます。
「ついこないだまではひねりを意識していればうまくできていたのに、最近うまくいかなくなってきた…」
なんていうことは当たり前のように起こります。
「技が狂った」なんて思わず、自分が成長している証拠だと捉えて意識を変えてみましょう。
曲がる場合は前進を優位に
そして、ロンダートが曲がる場合は前進の運動の意識を強く持ってください。
僕はこの話をするときによく自転車を例に出すのですが…
スピードがなくなった自転車はどうなりますか…?
バランスが取れなくなり、倒れますよね。
自転車の動きに10のパワーがあったとして、10のパワー全部が前進することに使われていると他の進行方向に使うパワーがないためバランスが保たれます。
反対に、3のパワーしか前進することに使っていないと、残りの7のパワーは斜め前や横の動きに使われてしまうため、バランスが不安定になります。
ロンダートも一緒。
前進するパワーが弱いと横に曲がるパワーに使われてしまうのです。
なので、ロンダートが曲がってしまう時は、前に前に遠くに遠くに進む意識を持って技をやってみましょう。
遠くに進むということは、手も遠くについて、足も遠くについて、着地も遠くにする。
この意識が根付いてくると曲がりは自然と消えていくと思います!
間違っても
「左に曲がるから右に行く意識をしよう」
なんていうことはしないでください。
曲がりを曲がりで直すとより大きな崩れを招きます。
練習方法
原因が理解できたところで、具体的な練習方法に入っていきましょう。
動きの癖を直したり、正しい形を身につけるためには根気が必要です。
何度も同じ動作を繰り返すことによって前進する感覚を体に染み込ませていきましょう。
「ゆっくり長く」
①ゆっくりロンダートをする
②手をマットについたまま着地する
③手をついた場所からなるべく遠くに着地できるようにする
【意識するポイント】
・ゆっくり行う
・長く技を行う
・手と足がまっすぐの線の上に乗るように行う
・背中を丸める
・なるべくあごをしめる
手の意識は最後
この練習を行なっているときに、マットを手から離す(地面を押して上半身を起こそうとする)ことはしないでください。
前進する感覚がまだ体に入っていないうちに上半身を起こそうとすると…
まさにそれが曲がりの原因となる体の動きにつながってしまいます。
しっかりと遠くにまっすぐできるようになってきたら、徐々に上半身を起こす意識を足していきましょう。
地面を押す(体操では「突く」と言います)のはなかなか難しいので、最初は地面から手を「離す」ところから始めてみるといいでしょう。
まとめ
今日は「ロンダートの曲がり」をテーマに
・ロンダートに含まれる3種類の運動
・曲がりの原因
・解決方法(練習方法)
について解説しました!
何度もしつこいようですが、繰り返しが大切です。
焦る気持ちはよくわかります。
早くカッコよく技がしたいですよね。
だからこそ!
今はグッと我慢して基礎の動作を体に入れていきましょう!
この記事が参考になった方はぜひお友達にも紹介してあげてください😊
ではまたね〜👋